土地は「古家付き」「更地」どちらで売る?

古家付きと更地のイメージイラスト

不動産を売却するとき、「更地」=「建物が無い土地」ならば良いのですが、空き家だとしても家が建っていると、「古家付き」で売るか「更地」にしてから売るか、という選択肢で悩むことがあります。

一般的には、「更地」が売れやすいとの見方が大半です。

それは、土地に建物が無く、敷地全体が見渡せるほうが、新築後のイメージも作りやすいからです。

 

【ミライカ視点】

一方で、通常はほとんど資産価値がないと言われる古家付きのメリットや、更地のデメリットを理解しておくと、

最適な売却方法が見えてきます。

「古家付き」のメリットとデメリット

まず、「古家付き」という状態ですが、これは「建物の築年数が長く経過し、資産価値がほとんどなくなってしまった家(古家)が立っている」状態の土地を指します。(一般的には築40年以上(旧耐震基準)が一つの目安になっています。築年数がこれより短い物件は、リフォーム等で「価値のある住宅」として売却も視野に入れていく事ができます。)

「古家付き」で土地を売る場合には、どんなメリットやデメリットがあるのかをそれぞれ理解しておきましょう。

 

【メリット】

売主にとって「古家付き」で土地を売る最大のメリットは、古家の解体費用がかからないという点にあります。建物の解体費用は、木造住宅で1坪当たり6~10万円程度が相場と言われているので、仮に建物面積が70平方メートル(約21坪)の木造一戸建てだとしたら、概算で120~190万円くらいかかってしまいます。建物構造が木造以外(軽量鉄骨など)ならば、坪単価が増額するので、さらに解体費用は高くなります。

 

ですから「初めに費用をかけて、建物を解体して、更地で売り出したけど全然買主が見つからない…」というときの費用的なダメージは売主様にとって大きいものになります。売主様としてはそのようなリスクを避けられるという点で、「古家付き」での土地売却は大きなメリットとなります。

 

また、古民家をリノベーションして利用したいという人が増えており、築年数的には古家であっても、状態が良ければ買主様がそのまま住宅として利用するケースは珍しいことではありません。ですから、「古家付きの土地」というよりも「古家」の方に買い手が付く可能性が期待できます。ただし、あくまでも建物の状態と買主様のニーズが合致した場合に限られるので、なんでも売れるというわけではありません。

 

一方、最初から土地のみに価値を認めて買おうとする人は、購入後に建物を解体することを前提としているので、購入時に解体費用分の値引き交渉などをしてくる可能性があります。その点を判別するために、購入意思を表わす人が出てきたら、購入後の使い方を確認するようにしましょう。

*ミライカとの打ち合わせの上、随時ご案内しますので安心してください。*

 

このほかのメリットとしては、固定資産税・都市計画税の負担軽減があります。更地と住宅用地として使われている土地とでは、課税の度合が違うからです。売れるまでに長期間かかった場合には、売主にとって直接的なメリットになりますし、買主にとっても税負担軽減から、買い手が付きやすいという効果も期待できます。ただし、「空家等対策特別措置法」により「特定空家」として古家が認定されると固定資産税が高くなってしまうため、注意が必要です。

 

さらに「古家付き」は住宅の売買になるので、買主にとっては住宅ローン融資を受けやすいという点で、需要が広がる可能性が高まるというメリットもあります。

 

【デメリット】

まず、あくまでも取引の主眼は「土地」である以上、買う側の購入優先度を考えるとやはり「古家付き」は低くなるというのが、大きなデメリットとして挙げられます。

 

もう一つのデメリットとしては、「契約不適合責任」の問題があります。売主は不動産の取引に際して、売買の目的物が「種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない場合」に責任を負うことが義務付けられており、これを「契約不適合責任」と言います。

 

土地については、土地利用に際して大きな障害となるような地中埋設物や地盤の脆(ぜい)弱性などが契約不適合に該当すると考えられますが、古家があるということは、建物についても契約不適合責任を負わなければならないということになります。つまり、古家があることで売主の責任の範囲が拡大することになります。これはデメリットと言えるでしょう。

 

ただし、古家については、少なからず経年劣化、機能面での不具合が生じていることは当然に想定されるので、買主との合意の上であれば売買契約時の特約として契約不適合責任の「免責」を定めることができます。

 

土地については、建物があると地中のことはわからないので、後に買主が更地にして利用する際に不適合に該当する不具合が見つかり、トラブルになる可能性が考えられます。

「更地」のメリットとデメリット

古家付きと更地のメリット・デメリットを表したイメージイラスト

続いて、土地を更地にして売るときのメリットとデメリットです。

 

【メリット】

まず、更地には「流通性の高さ」という大きな魅力があります。更地の場合、買主が購入してすぐに自由に土地を使うことができる(もちろん法令上の制限内で)ため、需要が高いのです。つまり、古家を解体して土地を更地にすれば、土地が売れる確率を高めたり、売れるまでの期間を短縮したりできるというメリットがあります。

 

また、古家が空家で管理の手間や費用がかかるとか、見た目にもかなり老朽化した状態でマイナスイメージを与えているというような場合には、思い切って更地にすることも一つの手です。こうすることで、売主様は古家の管理から開放され、さらに土地が売れやすくなるというメリットが出てきます。

 

【デメリット】

古家の解体・撤去に費用がかかります。また、古家がなくなることで土地の固定資産税が高くなってしまいます。

 

また、状況によっては、埋設物の除去や地盤改良をしなければならないことがあり、その費用が発生する可能性があります。

ミライカ視点の「古家付き」か「更地」かの選択

土地を「古家付き」で売るか「更地」で売るか、そのベストな選択は物件ごとに判断が異なります。

古家の状態が良ければ、古家がアピールポイントとして機能します。しかし、古家の老朽化が進んでいるなら、マイナスイメージにより買主の購買意欲が消えてしまうことも考えられるので、解体した方が有利になるでしょう。

 

一般的には更地の方が売れやすいとされますが、不動産では、まったく同じ条件のものは二つとしてありませんから、実際に売却を考える際には、土地の現状をよく考えて見極める必要があります。

 

ミライカでは、土地の状況、市場の環境、買主候補様へのアプローチを通して、古家付きにするべきか、解体後に売価活動するべきか、プロの目線でご提案いたします。

解体ありき!など強引な勧誘等は致しませんので、一緒に売却ゴールを目指していきましょう。

ミライカ版―不動産お役立ち情報